繰り返しとか条件分岐とか

プログラミング教育を,逐次実行,繰り返し,条件分岐を教えることだという風潮はなんとかしたいです.

プログラミングの目的は「作りたいものがあってそれを作る」その行為全体の力をつけるということです.ジャンルはロボットのようにモノを動かしたり,LEDを光らせることから,スマホやディスプレイ上で動く画像を作ったり(タッチやマウスに応じて画像が変化するとゲームになるし),音を鳴らせたり.

ところが「作りたいものがあってそれを作る」というのが難しくて.「作りたいもの」はその人の中に全く無いか,ありすぎるかのどちらかです.マリオをつくりたいとか言われても2時間ではちょっと,みたいなのが後者.プログラミング教育という点では,ほどほどな難しさの作りたいものが自分で思い浮かぶように少しずつ機能を見せていって,みんながオリジナルのものを作れるようになる.これが理想です.これを繰り返して,作りたいもののレベルが少しずつ上がって行く.

結果,コンピュータで作れそうな作りたいものを思い浮かぶ能力,つまりコンピュータで作れそうなものはどういうものかを知るのと,自分に足りない部分を知るという,それを鍛えているのです.そこにしかないです.

繰り返しとか条件分岐をだけ教えるというのは,作りたいものを思い浮かばせる教育はしてません.与えられた問題を解ける能力なので,こういう人が世に出ると,飛びぬけていれば高給を稼ぐプログラマーにはなれるかもしれませんが,そうでなければ誰かの下でこき使われるだけでしょうし,ここはAIに置き換えられやすい能力でもあるのです.

ビスケットではたった1種類のメガネで,逐次実行,繰り返し,条件分岐を表現することができます.でそれだけじゃなく,並行実行とか,多相とか,継承とか,まだまだいろんなプログラミングで重要な概念も表現することができます.要するに組み合わせるといろんなものが出てくるということです.それは別の言い方をすると「コンピュータで作れそうなこと」がとても短い時間で直感的に伝わるということでもあるのです.

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