機材が足りない時

プログラミング教育は「機材がない場合はアンプラグドでやりましょう」と言われる場合があります.しかし,一人1台の機材を用意するのは難しくても,グループに1台ずつはタブレットやパソコンは用意できると思います.そこで,ビスケットを複数人で1台の機材で体験させる方法をご紹介します.我々もいろんな失敗をしてきたので,それなりにノウハウがあるんですよ.

たとえばこのページでご紹介しているビスケットの基本をやるとします.ここでは,最初に三角を3つステージにいれて,次にメガネを置いて,メガネの左と右に三角をいれるとどうなるかやってみてください.というのを細かい手順で伝えます.


相手が幼児だったら,これを3回のステップに分けて,1ステップ目で三角を3ついれる,2ステップ目でメガネを置く,3ステップ目でメガネの中に三角を入れる,くらいに分解して伝えると,ほぼ全員同じ進行度合いで進めることができます.

これを複数人で,たとえば4人で1台のタブレットでやる場合を考えます.

まず大事なポイントは全グループが同じ人数になるようにすることです.仮にそれでタブレットが余ったとしても,それを使って不平等なのが生まれるよりは,全員が公平になるようにします.3名,4名くらいで混在するのは学年によってありですが,1人1台と2人1台の混在は中学生でも失敗しました.全員2人1台にすべきでした.1人あまったらそこは3人1台にするか,先生が代わりに入る.

グループ内で順番を決めてもらいます.じゃんけんでもいいけど,窓側から順に1番,2番..で全然いいです.決めるのが早いし.

こんな感じで,ステップをさらに細かく区切ってやります.「1番の人は三角を1つステージにいれてください」..「2番の人はもう1つ三角をステージにいれてください」「3番の人ももう1つ三角をステージにいれてください」「4番の人はメガネを灰色のところに1ついれてください」「1番の人は三角を1つメガネの左側にいれてください」「2番の人はもう1つ三角をメガネの右側にいれると..どうなる?」...「うごいたー」..「じゃあ3番の人はメガネの中の三角の場所を少しずらしてごらん」「4番の人もずらしてください」...「メガネの秘密がわかった?」

一人ずつでやる場合は,一番操作が遅い子供に合わせて進行します.グループでやる場合は,操作の速い・遅いは平均されますし,間違った場合はグループ内で修正してくれます.指示を細かく区切った分だけ遅くなりますが,トータルではあまり変わらないかもしれません.

一番最初のところで,このように細かいステップで操作するルールをしっかりと伝えておくと.その先は,「何番の人」という言い方から「次の人は」という言い方になっていって.最後は,勝手に少しずつ平等に操作してみるという雰囲気が生まれてくると思います.

このまま,お絵かきして海の世界まで行きますが,もともとこのビスケットランドはグループで海の世界を賑やかにしようということなので,そんなに不自然じゃなくグループでやってくれるようになりますよ.

このとき,ビスケットの面白さにはまってしまって,どうしても一人でやりたいという子が出てくると思います.その順番を待つというの大事ですが,その子が描いたすごい絵を見てみたいという,感情も生まれるかもしれません.そんなときには,余ったタブレットを出して,どうしても沢山やりたい人はどうぞ,としてもいいかもしれませんね.

ここで,子どもたちに伝えたいメッセージというのは,プログラミングは一度指示をだしたらずっと動いているということと,指示を間違えたら間違えた通りに動いてしまう,つまりコンピュータにとって間違えるということはないんだ,ということです.こういったメッセージはコンピュータを使わない活動では伝えられないんじゃないでしょうかね.

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