プログラムで作曲しよう

ビスケットに組み込まれた音機能を使って,作曲してみます.これは,作曲家の海津賢さんと実施したプログラミング&作曲ワークショップでの内容をもとにしています.

賢さんに伺った作曲のキモというのが「制約があると自由になる」ということなんだそうです.何かを制約してそこから音を作ってゆく.それと,ビスケットでやりがちな,音をたくさん鳴らしすぎないように注意するということ.音を抜くというか休符をいれるというか.

そんなことに注意しながら作って行きます.

まず,アプリを起動してから,スクリーンショット 2016-08-19 19.28.29を押して, スクリーンショット 2016-08-19 19.33.06 を押して(この数字は変わりますが,あとで自分の作品をみるときには憶えておく必要があります),最後に鉛筆ボタンを押すと,制作画面に進みます.

まずは,簡単なリズムから,1,2,3,4という数字を書いて,それが順に変わるというメガネをつくります.よく4から1に戻るというのを忘れられることがありますが,それは必要です.で,1をステージに一つだけいれます.

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次に音のアイコンをメガネ置き場に何個か出してみます.毎回ランダムな音符が生成されます.ランダムなので,同じ音が何度も出てくることがありますが,いらないのは捨てて,気に入った音が出てくるまで出して行きます.

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それぞれの音符をタッチするとその場で音がなります.いろいろと触ってみて,自分が気に入った4つを選び順番を決めます.それをそれぞれのメガネの右側に入れると,4つの音が繰り返して聞こえてきます.

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歯車のボタンを押すと.

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うさぎとカメのスライダーで速度を変えられるので,変えてみてもよいでしょう.

少しだけランダム要素を入れると,面白くなります.4から1に変わるメガネをもう一つ作って,違う音符を入れます.

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4つ目の音は,2つの音からランダムに選ばれるので,繰り返すようで繰り返しじゃない感じになります.ランダムも入れすぎるとわけがわからなくなります.

音を抜いて,休符にしてみるのも面白くなります.

作品はこれ

もう一つ別の方法をご紹介します.

準備として設定を方眼紙にします.方眼紙は歯車のボタンを押して,うさぎの下にあります.右側の一番荒いモードにします.一番荒いモードは横が12マス,縦が9マスあります.

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ボールを3つと矢印を一つ描きます.

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矢印は横に1マス進むように.ボールの斜め上に矢印があれば,ボールの真上に来た時に音がなる,というのをつくります.ボールを何個か並べるとそれで,リズムを刻むことができます.

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ボールとぶつかるメガネは結構間違えやすいのですが,まず最初にボールを左右にいれてボールが動かないようにします.

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次に右のボールの上に矢印をいれて,最後に左のボールの斜め上に矢印を入れるというのがつくりやすいようです.

自分が気に入った3つの音を選んで,それをメガネにいれてみると,曲っぽい物ができあがります.全部ボールで埋めてしまわないで,ときどき間を開けて音が鳴らないのを作るのがミソです.

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ここ

矢印が動く度に,ボールの色が変わるというのも一つのアイデアです.適当にやると,全部1色になっちゃったりしますが,各色が青,赤,緑の順に繰り返して変化させると,3周で元のパターンに戻るので,ちゃんとした曲っぽくなります.ここにもランダムをいれないほうがよい気がします.

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ここ

最後に2進法を使った作曲です.大体,音楽で出てくる数字って,2とか4とか8が多いので,2進法と相性がよさそうじゃないですか.

準備として,歯車の設定で画面からはみ出たら反対から出てこないようにします.魚の左側の方のボタンです.
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ボールと矢印の他に,三角と半透明の丸を用意します.メガネは,矢印は下に進む.ボールを通り抜けるときに音がでる.

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ここまでは方向が縦になっただけで,オルゴールと一緒ですが,最後の2つのメガネ.三角からピンクの丸が出る,ピンクの丸が二つ重なると,一つのピンクの丸が横にできて,矢印が発生します.これは二進法のカウンタそのもので,桁上がりの度に,矢印が出てくると考えればよいでしょう.

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右の最初の列は2ステップに1つ矢印が生成されます.ここに 音符を置くと,4分音符で刻んでくれます.次の列は4ステップで1つ矢印が生成されます.桁上がりの関係で右の列と1ステップずれますが,それを考慮して音符を並べます.こうやって,8ステップに1つ,16ステップに1つと増えてゆくので,それぞれのタイミングで何か入れたい音を入れて行きます.

あまりいい曲じゃありませんが,こんな感じです.

これはそのまま,3進法にも応用できますね.3連符なワルツになるのでしょうか.桁のピンクの丸を2色にして,2進法と3進法を交互にすればまた変わってくるでしょう(ピンクの丸が2つ重なると隣に緑の丸ができる.緑の丸が3つ重なると,隣にピンクの丸ができる).とにかく,なにか繰り返す機構を作り出せばよいのです.

繰り返しができると,4とか3に逆に飽きてきて,5や7に挑戦してみたくなります.これはこれで,病みつきになる曲ができるでしょう.

最後に,右の一番下に回転ボタンがあります.回転は一つの指でアイコンを触った状態で,もう一つの指でその周囲を回転させるように動かします.音符を回転させると,半音階で音を自由に変えることができます.これでもっと変な曲に挑戦できます.

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