どうしてコンテストの課題がパズルなのか

これまでにも,ビスケットを使ったコンテストは何回かやったことがありますし,他のコンテストにビスケットを使って応募している例も多々あります.

北九州で行われた「第四回北九州デジタルクリエーターコンテスト」ではビスケットを使ったコンテンツのコンテストが行われました.2010年ですから,随分と前ですね.すごい数の作品が集まって,審査もかなり真剣にやりました.面白い作品が多くて,なかなか審査も大変でしたよ.

ここ数年ではデジタル絵本アワードや小中学生プログラミング大会にビスケットで応募して受賞するケースも増えて来ました.

ただ,こういうコンテストは審査にお金がかかる.いい審査委員にお願いして,真剣に審査していただかないと,選ぶのはとても難しいです.

たとえば,ビスケットだとシューティングゲームは本当に簡単に作れます.そういったレベルの作品でも応募できるコンテストは,作品数がたくさん集まりますけど,たぶん審査できないです.優劣がつけられない.そこをあえてやるには,いい審査委員にお願いして,その人の力で決めてもらうしかない.

今回の目的は,ビスケットのプログラミング能力の全体的な底上げを図ろうということでもあります.なので,ちょっと難しめに「パズル」というテーマにしました.小学生だとなかなか難しいテーマかもしれません.逆に大人たちが本気で燃えてくれればよいかなと.しかし小学生のアイデアに叶わなかったりする,そういう戦いをみたくてパズルにしました.

最近,僕が高学年向けにやるワークショップではできるだけパズルをテーマにして,作品を作ってもらうことにしています.そこで投稿できるレベルの作品はできなくても,作品のアイデアレベルのものが発掘できるのではないか,というのもあります.

先日のワークショップでも面白いアイデアが生まれました.落ちゲーでボールが落ちて来て,3つ並んだら消えるというプログラムを作っていた女の子です.最初は,3つ並んだとき,中央をボールをタッチしたら消えるというプログラムを作っていました.しかし,「タッチ」をいれなければ勝手に消えるというのに気が付いて,その後はずっと勝手に消える仕組みにこだわって作り続けました.色々な改良を続けているうちに,ゲームの勝敗の判定を逆にしたら面白いということに気がつきました.通常は,ボールをなんども消して行くけど,ボールが詰まっていって消せなくなったらゲームオーバーですが,それを逆にして,できるだけ早くボールを全部埋めれば勝ち,しかし偶然に3つ並んでしまえば勝手に消されるので,できるだけ3つ並ばないように気をつけてボールを落としてゆく,というゲームです.

彼女がワークショップ中に作ったゲームは,偶然性が強くてもう一歩ですが(それでも,ハラハラ感はあるので,ゲームとしては面白いことは面白いのですが)少し頭を使って勝てる確率を少しでもあげられるようにルールを変えられれば,それだけでもう十分入選レベルの作品になりそうです.

これは,一つの面白い現象にこだわって,しかも頭の中で考えるのではなく,それで何度も遊んでみないと気がつかないようなことです.まさに,ものづくり・創造性の一番面白いところです.これを競うようなコンテストにしたい,そういうことでした.

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