データで見るビスケット2020 -ファクトシート公開 前編-

ビスケットは2003年に最初のバージョンが発表されました。少しずつ認知され、2017年にはプログラミング教育が盛り込まれた新しい小学校学習指導要領が発表され、この決定を受けて更に多くの人に使ってもらうようになりました。

振り返れば2020年度は、小学校でのプログラミング教育のスタート、コロナ禍、ギガスクール構想前倒し、と激動の1年でした。ビスケットの環境もFlashの廃止を受けて、授業での使用を見据えた新しい「きょうしつでビスケット」をリリースしました。私達はこれを機に、実際にどこで、どれくらい、どのようにビスケットが使われているのかをまとめる必要性を感じました。

この記事では、ビスケットの利用状況をデータを読み解いて整理します。ビスケットの作品はビスケットのサーバーに保存されています。原田はかせは、子どもたちの作品を大事にしたいという思いから、ビスケットが誕生してから今までのデータを大切に保存しています。

 

ビスケットアプリダウンロード数

まずはビスケットの公式アプリのダウンロード数についてです。iOSアプリダウンロード(以下、DL)数は255万DLを超えています。250万DLといえば、いろんなアプリがDL数を祝してニュースリリースを出すような数値です。2020年の5月の時点では、iOSアプリのDLは5万DLでした。しかし、2020年11月に100万DL、2021年2月に200万DLを突破しました。2020年度はGIGAスクール構想の前倒しで、小学校にタブレット端末の導入が進みました。この導入はChromebook、iOS、Windowsがそれぞれ1/3ずつのシェアで進んでいるようです。全国の小学生は630万人ほどですから、その1/3の210万人にiPadが支給されるとすると、そのほとんどにビスケットがインストールされていると推測できます。もちろん、ウェブブラウザで利用している人や、andoroidで利用している人は、255万DLには含まれていません。また、DL数はまだまだ増えています。学校も含め、多くの人の手にビスケットが広がっていることがわかります。

 

ビスケットが利用されている場所

では、どこでビスケットは利用されているのでしょうか?調査の結果、1,322の市区町村で利用されていることがわかりました。総務省によると全国の市区町村数は1,718ですので、日本全国の77%の市区町村にビスケットユーザーがいる、ということになります。77%ですので、大都市圏だけではありません。北は北海道から南は沖縄まで、日々ビスケットでプログラミングを楽しんでいる子どもたち(もしかしたら大人も)がいることがわかりました。

   

ビスケットが利用されているクラスの数

もっと詳細に見ていきましょう。授業での利用です。ビスケットの作品保存の傾向から、個人で利用したと見られるものは除き、クラスでビスケットがどれくらい使われているかを調べました。すると31,867クラスで利用されていることがわかりました。文科省によると小学校の学級数は272,774クラスです。もし、1クラスで1回ずつビスケットの授業を行っているとすると、全国で12%のクラスが、ビスケットで授業をしていることになります。1クラスに20人の児童がいるとしたら、約64万人の子ども達がビスケットでプログラミングの楽しさに触れたことになります。64万人といったら、千葉県船橋市の人口とほぼ同じ。あらためてその大きさに私たちも驚いています。

   

さて、いかがでしたでしょうか。今回はビスケットのダウンロード数と保存データからどのくらい、どの場所で、ビスケットが使われているかを見てきました。次回は、どのように小学校の授業で使われているかを詳しく見ていきます。

これらのデータを記したファクトシートがダウンロードできます。下記の「きょうしつでビスケット」ウェブページの、資料ダウンロードフォームにアクセスしてください。
きょうしつでビスケットウェブページ
図とグラフを使って視覚的に構成していますので、ぜひこちらもご覧ください。

▶︎後編はこちら

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