ビスケットを授業で活用する事例がたくさん集まってきました.他のツールを授業で使っている事例もいろなところで集まっているようですが,それらとビスケットとを比べて,何か方向性が違う印象です(二極化と言いましたが,本当は真ん中に「なにもやってない」というグループが9割以上占めているとは思いますが,それは置いておいて).
どちらも,いまの文科省の制約を受けて,真正面からプログラミングは扱えなくて,何かの教科の中に間借りする形で入れられています.
他のツールを使ったケースは,もちろん一言ではなかなか言えないですが,「プログラミング風」のなにかを,教科の授業の中に組み込んだ感じ.たとえば,国語の作文の時間に,ストーリをフローチャートのような図を使って考えるとか.文章の構成を考える上で,フローチャートで考えることが本当に便利なんだったら,こんなプログラミング教育の風がくる前から勝手にやっていればよかったわけで.大した発明じゃないんだから.こんな不便な記法を無理やり使うよりももっと便利な教えやすい方法が色々とあると思います.
プログラミングで有名になった多角形とか,理科の電気のところとかも,これまでどう教えていたのか,っていうかね.本当にプログラミングで教えた方が効果的なんだったら全然構わないんですが.
こういう状態って,両方の教科に失礼だと思うんですよ.まず,各教科的にはいままでちゃんと教えてきたのに,遠回りして教えなきゃならなくなった.それからプログラミングの方は教科ではないですが,本当は楽しくて未来への可能性を感じるものなのに,つまらない使われ方をしてしまった.
ビスケットが使われている例を1つご紹介します.
「主語と述語でおもしろ文プログラム」
https://tkby.github.io/Learning-by-Viscuit.github.io/kokugo/examples/shugojutsugo.html
小2の国語で「主語」と「述語」を習うときに使うのだそうです.
めがねはつぎの8つ.
「主語」「述語」という絵をタッチするとランダムに「ぼくは」「小学生だ」といった言葉に変わるという単純なものです.画面に「主語」「述語」を並べて,
このようにヘンテコな文章を出して,遊んでゆくうちに「主語」「述語」の理解を深めてゆきます.
もしかしたらこういう遊び,僕らが子供の頃もノートを破いてカードを作ってやったかもしれません.単純にそれをタブレットに置き換えただけです.ですが,紙で作るよりも,タブレットで作った方が「作るのが簡単」「タッチで絵が変わるので面白い」「自動的にランダムに並び変わる」「友達と交換できる」といった利点があります.作る時間もそんなに必要ありません.
プログラミング=自動で動くメディア という見方ができます.動くノートと言ってもいいかもしれない.そういうツールが手に入ったとき,それをどう授業に活かせるのかということです.
他にも沢山事例が紹介されています.学校の先生ならではの視点でとても勉強になります.
https://tkby.github.io/Learning-by-Viscuit.github.io/
我々の方でも,事例の収集を始めてます.
https://scrapbox.io/viscuiteducation/
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